ミライの体育館®︎とiGYMが協働を開始

 筑波大学のミライの体育館®︎チームは、筑波大学附属大塚特別支援学校の体育館で、床面投影型の空間拡張現実 (AR) システムの開発に取り組んできました(2014年着工、2015年より運用開始)。この取り組みでは、投影によって、床面に人物の動きに合わせたインタラクティブな行動の手がかりを描画し、知的発達症や自閉スペクトラム症の子どもたちを対象とした教育活動を支援する試みを行っています。これにより、学校教育の中で得られる体験を拡張するとともに、インクルーシブな体験を提供することで、生徒や教諭の両者をエンパワーすることを目標にしています。
 同様に、米国ミシガン大学のiGYMチームは、車椅子を使用するなどの移動の制約を持つ人々が、障害のない仲間と一緒に運動活動に参加できるようにする、床面投影型の空間拡張現実 (AR) システムを開発し、エアホッケーゲームを通じたインクルーシブ活動の支援に取り組んでいます。
 この度、両者はこれらの取り組みをさらに加速させるために国際的な協働を開始し、互いのゲームコンテンツやインタラクション機能をそれぞれのシステムに統合する試みを行いました。
 2023年10月28日、その最初の成果として、筑波大学附属大塚特別支援学校の高等部21名と筑波大学附属坂戸高等学校の2年生25名の交流会の中のアイスブレイキングのセッションで、ミライの体育館®︎に統合されたiGYMのエアホッケーゲームが使用されました。生徒たちは、それぞれの学校から1名ずつの2名でチームを組み、対戦ゲームを楽しみました。当日は、ミライの体育館チームの大木美加研究員らと附属大塚特別支援学校高等部の石飛了一教諭が現地で進行を担当し、鈴木健嗣教授とミシガン大学のRoland Graf准教授がオンラインで参加しました。
 今後は、このエアホッケーゲームを車椅子ユーザーも含めた交流会で活用するとともに、誰もが一緒にゲームを楽しむことによって『場』を共有することができるような、未来の投影型の空間拡張現実 (AR) システムのあり方を探求し、エビデンスに基づいた支援の実施を目指していきます。
 なお、本取り組みは、国立研究開発法人科学技術振興機構JST CREST Social Imaging (No.JPMJCR14E2)JST CREST Social Signals (No.JPMJCR19A2)の助成を一部受けて行われました。

【担当者/貢献者】
筑波大学 ミライの体育館 チーム:
– Dr. Mika Oki      大木美加(システム情報系 研究員)
– Hayato Saiki     佐伯逸人(エンパワーメント情報学プログラム 一貫制博士課程2年)
– Kenta Tanaka    田中健太(知能機能システム学位プログラム博士前期課程1年)
– Dr. Kenji Suzuki 鈴木健嗣(システム情報系 教授)

University of Michigan, iGYM チーム:
– Dr. Roland Graf (Associate Professor, Stamps School of Art & Design)
– Dr. Michael Nebeling (Associate Professor, School of Information)
– Dr. Hun Seok Kim (Associate Professor, College of Engineering)
– Don Manfredi and Alisyn Malek (U-M Innovation Partnership)
– Shyam Keshavmurthy and Seong-Hee Westlake (Consultants)
– Ruifeng Xu (Engineering, 2nd Year) and the FEAST/AiRPLAY student team (interdisciplinary Faculty Engineering/Arts Student Team)

 【参加者】
– 筑波大学附属大塚特別支援学校 高等部:石飛了一 教諭(学部主事)、他教諭7名、高等部21名
– 筑波大学附属坂戸高等学校:熊倉悠貴 教諭(福祉科)、高2年生25名

【謝辞】
– 佐藤知洋 主幹教諭(筑波大学附属大塚特別支援学校)
– 大宮弘恵  副校長(筑波大学附属大塚特別支援学校)

 

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