すべての子どもたちのミライのために
我々は、筑波大学附属大塚特別支援学校と連携して、「ミライの体育館®︎」を作っています。
ここでは、子ども達の集団行動を計測するカメラとセンサとともに、その行動に合わせて床や道具等にさまざまな情報を映し出す、プロジェクション・マッピングの技術を応用しています。これにより、行動を助けたり、社会的な交流の機会を増やしたりすることができます。学校の先生方と共に、子どもたちの行動が変化する過程を見守り、支援する技術の研究開発を通じて、社会性の形成の支援を目指す挑戦をしています。
これまで、先進的な想像力と創造力を駆使し、未来の可能性を広げる取り組みを行ってきました。
常に進化し続けるミライの体育館で、子どもたちの可能性を最大限に引き出すための新たな展開にご期待ください。
人々をエンパワーする教育活動の支援
発達障害を始めとして、困難を抱える人々の対人関係や社会性、コミュニケーションといった行動を見ることでその特性を判断する必要性がある場面がたくさんあります。人々の表情、視線、音声やジェスチャといった行動は、自身と他者を含む環境の中で、一連の流れで連鎖的に繋がっています。これらの因果関係を明らかにするためには、複数人の行動を同時に見る必要があります。社会性とは情緒にも関わりの深い性質であり、一人では出来ない他者との活動の中から学んでいく大事な能力です。このようなミライの体育館は、子ども達の社会性の形成を助け、発達を支援しながら、新たな創造性を引き出すような大きな役割を果たしていくと考えています。子ども達の活動における教育効果を検証していくと同時に、特別支援学校に通う児童生徒だけでなく、保護者や地域住民、一般の学校に通う児童生徒なども含め、あらゆる人々が集うインクルーシブな場として活用し、障害のある者とない者とが、共に活動できる場を提供していきたいと考えています。インクルーシブ教育は、障害のある子どもにも、障害があることが周囲に認識されていないが、見えない困難のある子どもにも、そしてすべての子どもにとっても、良い効果をもたらすことができるものです。「ミライの体育館」は建物としての未来の姿を示すだけでなく、そこで活動する全ての人々の未来のための施設なのです。
行動学習・運動支援
社会性形成や運動学習への効果の検証をしています。ライフキャリアや運動の文脈において学ぶスキルの学習に着目した支援です。自身と他者、自身と物体、自身と環境との時空間協調運動をインタラクティブな手がかりを床面に描画することによって支援しています。
共感デザイン
共感デザイン手法による創造的活動の支援をしています。附属大塚特別支援学校の教諭らとの密な意見交換を通じて、この手法のループを複数回繰り返すことにより、投影デザインの決定や研究プロトコルの策定を行っています。
実践
システムの操作性の簡素化を行い、教材教具としての学校への定着を目指しています。教諭ら自身がパソコン上で作成したスライドを床面をディスプレイとして投影できるようにしています。教諭らの自由な発想に基づく授業への展開が実践されています。
研究紹介
「ミライの体育館®」は、情報工学・発達心理学・医学・特別支援教育分野の協働による学際研究です。
国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業(CREST)
Social Imaging (No.JPMJCR14E2)、Social Signals (No.JPMJCR19A2)の支援を受けて研究をしております。